青花草堂- 中国磁器の基礎知識 -
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コラム

「新疆ウイグル自治区 タクラマカン砂漠への旅」その1

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2018年の夏、平日の7月20日14時、渋谷ハチ公前広場で、最近知り合った中国人楊さんと待ち合わせをしていた。わたしは7月12日に60歳の誕生日を中国北京で過ごしたあと、雇用延長の手続きのための健康診断を受診するために休暇を取って留守宅に戻っていた。ハチ公での待ち合わせは、東京の渋谷、目黒、世田谷の住民たちには定番の待ち合わせ場所であったが、わたしが初めて渋谷の街にデビューしたあと、渋谷の街は、その時代時代ごとに街の風景を変えていった、またハチ公前広場もその待ち達の役割も変わっていったのである。いまでは訪日する外国人の旅行者たちのモニュメントであり、映画のヒーローになったハチ公の聖地になっていたのである。待ち人が待ち続けたハチ公が、人々が再び出会うことの喜びを与え、人々に自然の笑顔の記念写真を次々と提供してくれていた。

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わたしのスマフォに少しばかり遅れますと連絡が入り、以前のように待ち人来たらずの不安感が一掃されたことを不思議に感じながら、久しぶりに渋谷のスクランブル交差点の写真でも撮ってみようと交差点の交番側に出てみた。何枚か渋谷の風景を取ったあと、マイクとカメラマンが私の前に現れて、少しお時間よろしいでしょうか?と聞かれた。初めての街角インタビューであった。ちょうど待ち人現れずで、時間つぶしになると思ってインタビューを受けた。そのテーマは今の貴方のすごすぎること。と聞かれ丁度先月訪れたタクラマカン砂漠の風景が頭に浮かんだのである。夫婦の旅から戻って1か月以上なるがその思い出に浸ることもなく一時定年の手続き準備に追われていてエッセイを書き始める心の余裕がなかったことを思い出した。そのインタビューが没にならず晴れて放映されたことに背中を押され、こうやってタクラマカン鉄道その2を執筆し始めることした。

北京首都空港から新疆ウイグル自治区最大の街ウルムチをトランジットしてカシュガル空港に向かう。

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文:田中保成