青花草堂- 中国磁器の基礎知識 -
BLUE & WHITE TEA SALON

所蔵する喜び
いわゆる「C級市場での買い方」から「目利き力、眼力、審美眼の鍛え方」「オークション情報」までコレクターになるための貴重な「ノウハウ」を伝授

■C級市場での買い方。(潘家园の青空市場)

  1. まずは形と色合を見よう。
  2. 泥がついていたら泥を落とす。ハンカチを水で少し濡らして泥を落としてみる。
  3. 青花だったらその青を観察してみよう。どの時代か聞いてみる。青とデザインを見る。
  4. 写真を撮る許可をもらって、写真を通して見てみる。写真映りに見栄えがすれば第一次試験合格。
  5. 気に入れば、値段を聞いて予算内で購入できるかチェック。指し値が通ればお買い上げだが、再指し値はルール違反。
  6. 一般的に大きいものは高い。
  7. その売り場の品揃えが気にいれば、SNS等で連絡先を交換。(青空で売っている人たちはバックアップ商品があり、そこにつれていくことで常連にしたいと思っています。
  8. 青空市場で商品を地面に広げて売っている人たち
    • ①北京に住んでいて、普段は他の場所で販売している人(この人たちは土日出品系)
    • ②地方に住まいがあって地元の商品を仕入れて北京で売っている人(この人たちは平日出品系)、①②の人たちは、自分たちの取扱品は本物のB級C級だと信じている。
    • ③新物或いはフェイクを安く売っている人たち(本物か聞くと、そんな訳ないだろう応えてくれます。)

土日の方が、当然人の出が多いです。午前中から千客万来で3時ごろになると店じまいを始めます。また主力商品は、玉、磁器、その他宝石、石、刺繍もの、古い写真、仏像、急須、経、家具、古時計、おもちゃ、木枠、その他ガラクタなどなど、土日には脇役商品である箱、袋、カタログを中心にした書籍の古本の売り場出ます。C級お宝の天国です。
B級専門店は、本物であると同時に当然高額である。換金狙いの値引きもある。
A級専門店は、本物かつ相当高額である。たぶん値引きはしない。値引きをしてまで売る気はない。コレクターの自慢のためのお店でもある。 北京が一番高い、地方の方が安い。(高い順に、北京、重慶、成都) 20%ぐらいの格差があると思われる。北京では、最近、磁器専門店以外でも刺繍専門店が磁器の品揃えをしているが、専門店から仕入れ、自分のショップで売っているのを見かける。専門店の倍以上の価格を付けている。当然日本の専門店では、北京の専門店の2倍から3倍が市販価格であると思われる。
オークションの仕組み、買い手から15%、売り手から10%〜15%の手数料を取る。
売り手は成約した場合のみ手数料が発生。買い手は手付金が必要。したがい専門店で買うより当然高い。

■目利き力、眼力、審美眼の鍛え方。

当然であるが、本物を何度も見るしかない。
眼力の方が、文章と違って、本物を見たイメージはわりと蓄積される。
したがって見れば見るほど、審美感が蓄積されると信じよう。

  • ①博物館に何度も足を運ぶ。写真に収める
  • ②気に入ったカテゴリーの磁器作品写真集を購入する。
  • ③オークションブックを購入。
    トップクラスの商品、流行の傾向、相場感が一番身に着く
  • ④専門店のAクラス商品を見る。
  • ⑤Bクラス、Cクラスの商品も見る
  • ⑥ネットの商品もチェックする。BクラスCクラス商品、レプリカ商品の相場を把握することが出来る。
  • ⑦予算を決めて気に行った商品を買ってみる。
  • ⑧手に取った商品とオークションブックと比べてみる。

●商品の見るときの道具(磁器ハンターの三種の神器)

*
  1. 電灯付きルーペ(青花の青のムラ、気泡の有無、気泡の大きさ)
  2. 懐中電灯(修復の有無)
  3. 携帯電話のカメラ(カメラ映り、写真に撮って見栄えがするかどうか非常に重要、ここで見栄えのしないのはダメです。ただし泥を落としていない商品は泥を落とす必要あります。

●そして審美眼を鍛えるその本当の目的は?

転売して儲けようと思っては目がくらみます。
この作品を手元に置いて眺めていたい。人にみせて自慢したい。家宝にしたいと思うコレクターを目指して欲しい。コレクターです。骨董商になりたい人向けのノウハウ本ではありません。審美感を鍛えるのに近道はありません。
例えば、Aクラスの商品は、博物館展示品クラスですが、これは一度見ると目に焼き付くぐらい印象に残ります。釉薬が300年、500年、1,000年経過しても破壊されずに光を発しています。このような作品をみてしまうと、CクラスはもとよりBクラスも見劣りしてしまいます。99%はフェイクだと思ってしまうかもしれません。でもそう感じる美意識が大切です。トップクラスを感じてください。釉薬がひかるのでこの釉薬の中には光る物質、例えば瑪瑙がすりつぶされて調合されていると言われています。そのような贅沢にコストをかけることができるのは官製窯だけです。官製ものは古くても新品同様に光るとまことしやかに伝承されています。したがってこのような伝承は、AクラスとBクラスの目利きは、このような使いわけのヒントになるかもしれません。